悪意がある人が「統計」を扱うとかなり危険だ

悪意がある人が「統計」を扱うとかなり危険だ

統計には必ず「意図」が存在する。その意図を見抜くにはどうすればいいのでしょうか(写真 : CG-BOX / PIXTA)

統計には必ず「意図」が存在する。暴走を許さないためには、その意図を見抜くことだ。『統計は暴走する』を書いた東京大学社会科学研究所教授 佐々木彈氏に詳しく聞いた。

■統計はだまし、盗み、中傷し、時に人も殺す

──統計は「だます」ばかりでなく、「盗む」し、「中傷や虐待」もするし、時には間接的に人も「殺す」のですか。

統計は善良に使えば、有用なものだし、社会を分析・変革するのに有効だ。だが、単なる不注意ではなく、わざと正直に使わない人や団体が存在する。よくない使い方をされると被害は大きい。「左利きは早死にする」「未婚者は10年短命」「二酸化炭素は温暖化とは関係ない」、さらには「たばこをいくら吸ってもがんにならない」といった、統計をかたった妄説に出合ったことはないだろうか。

──いわゆる都市伝説や俗説ですね。

統計を示さなくてもいいのにあえて引用することで、見せかけの説得力をカサ上げしようとする。商品広告によくある「絵と本文は関係ありません」「画像はイメージです」といったものと同じたぐいだ。関係ないのならなぜ載せるのか。載せるのには何らかの意図があるはずだ。統計引用ではとかく悪質で、載せても出所のただし書きをしない。あたかも関係があるかのような文章がつく。科学的だと装いたいからだ。

──経済、社会の記事でも気になると。

たとえば日本はGDP(国内総生産)の2.5倍もの累積債務を持ち、増加に歯止めがかからない。

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