「鉄道ミステリー本」の編集者はつらいよ

「鉄道ミステリー本」の編集者はつらいよ

鉄道ミステリーが世に出るまでには編集者の果たす役割も大きい(編集部撮影)

推理小説には「鉄道ミステリー」というジャンルがある。一般的には西村京太郎の「十津川警部シリーズ」が有名だが、そのほかにも多くの作家が鉄道ミステリーの分野で活躍していることをご存じだろうか。

10月に講談社ノベルスから、鉄道ミステリーが4冊同時に発売された。『十津川警部 山手線の恋人』(西村京太郎)、『鉄道探偵団 まぼろしの踊り子号』(倉阪鬼一郎)、『鉄路の牢獄 警視庁鉄道捜査班』(豊田巧)、『東海道新幹線殺人事件』(葵瞬一郎)というラインナップだ。なぜ4冊同時発売なのか。作品ができるまでにどんな苦労があるのか。編集を担当した講談社文芸第三出版部の都丸尚史氏と岡本淳史氏に話を聞いた。

――鉄道ミステリーの編集で大変なことは?

都丸:トリックの正確性について、ファンから“ツッコミ”が入るので、気を遣います。昔、ある作品で陸橋から死体を走ってくる列車の上に落として、その列車が死体を屋根に乗せたまま走って、カーブで傾斜したときに死体が落ちたというトリックがありました。でも「その路線は電化されていて架線が張ってあるから死体を落とせないのでは?」というツッコミが入りました。私たちも気をつけています。

岡本:とはいえリアルさを追求しすぎると、何もできなくなるかもしれません。ファンに違和感をもたれない、ほどよい頃合いを見つけることが重要です。

■校閲部も大活躍

――最近、出版社の校閲部がTVドラマ化されて脚光を浴びています。

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