23歳、「発達障害」の彼が抱える生きづらさ

23歳、「発達障害」の彼が抱える生きづらさ

生きづらさを抱える彼ら、彼女たちのリアルに迫ります(撮影:今井 康一)

独特なこだわりを持っていたりコミュニケーションに問題があったりするASD(自閉症スペクトラム障害/アスペルガー症候群)、多動で落ち着きのないADHD(注意欠陥・多動性障害)、知的な遅れがないのに読み書きや計算が困難なLD(学習障害)、これらを発達障害と呼ぶ。

今までは単なる「ちょっと変わった人」と思われてきた発達障害だが、脳の病気であることが少しずつ認知され始めた。子どもの頃に親が気づいて病院を受診させるケースもあるが、最近では大人になって発達障害であることに気づく人も多い。

そんな発達障害により生きづらさを抱えている人のリアルに迫る本連載。第1回はADHDと診断された福島県在住の横山匠さん(23歳・仮名・コンビニアルバイト)に話を聞いた。

■思ったことをすぐ口に出し、人間関係が悪化

横山さんが症状に気づいたのは、高校中退後に働き始めてからだった。

農業高校に通っていたが、福島で原発事故が起きたことが原因で農業の勉強を続けられなくなり、クラスメートたちと一緒に学校を中退した。その後は高校在籍時からアルバイトをしていたコンビニで本格的に働き始めた。

そこで事件は起こった。

「パートの女性に仕事を指示された際、つい『うるせぇババア! 言われなくてもわかってんだよ!』と、心の声を口にしてしまったんです。それも1度ではなく険悪なムードになり、反省して謝って和解をするということが何度かありました」(横山さん)

悪意を持って暴言を吐くわけではなく、ナチュラルにあおってしまう。なぜ、相手の気持ちを考えられずに思ったことをすぐ口に出してしまうのか。悩んだ横山さんは親に相談する。すると、幼い頃に親が異変に気づき病院を受診し、ADHDの診断が下りていたことを知った。ADHDであることを何も知らされていなかった横山さん。18歳にして初めて、自分の生きづらさの原因がわかった。

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