孤独死の現場に見える「生きづらい現代」の断面

孤独死の現場に見える「生きづらい現代」の断面

近年増え続けている孤独死。その増加に伴い、特殊清掃員の数もまた上昇の一途をたどっている(筆者撮影)

特殊清掃、略して"特掃"――。遺体発見が遅れたせいで腐敗が進んでダメージを受けた部屋や、殺人事件や死亡事故、あるいは自殺などが発生した凄惨な現場の原状回復を手がける業務全般のことをいう。そして、この特殊清掃のほとんどを占めるのは孤独死だ。拙著『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』の中から、近年増え続ける孤独死の特殊清掃の一部をご紹介したい。

関東近県の某市――。特殊清掃人の上東丙唆祥(じょうとう ひさよし・46歳)は、肩のあたりまでうず高く積もった大量のごみの山と格闘していた。

■あまりにも悲惨な「孤独死」現場

2階への外階段を上り、奥まった部屋の玄関を開けると、まず鼻をついたのは、あまりにも暴力的なアンモニア臭であった。室内は、湿り気を帯びていて薄暗く、視界が悪い。

床を見ると、4リットルの特大の焼酎のペットボトルが、いたるところに無造作に転がっていた。ペットボトルの中身は、どれもが淡黄色に輝く液体で並々と満たされていた。その一部には、キャップが空いているものもある。そこから思わず吐き気をもよおすほどの強烈な異臭が漏れ出ていた。

特殊清掃業者にとって、孤独死の最も多く発生する夏場は書き入れ時だ。中には1日何現場もこなし、年間利益のほとんどを稼ぎ出す業者もいる。この特殊清掃需要の背景にあるのが、右肩上がりで増え続けている孤独死である。

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