コマツが「戦略矛盾」を恐れない根本理由

コマツが「戦略矛盾」を恐れない根本理由

「市場での矛盾」を恐れずに、コマツが取った戦略とは?(撮影:今井康一)

経営学、とりわけイノベーション論の分野で知られている、「両利きの経営」という言葉が、最近、広くビジネスパーソンの間でも多く語られるようになった。この研究の第一人者であるチャールズ・オライリー(スタンフォード大学教授)とマイケル・タッシュマン(ハーバード大学教授)の著作『両利きの経営』が話題になっている。

今回は、デジタル化への対応戦略、ビジネスモデル研究の第一人者で早稲田大学ビジネススクールの看板教授の一人でもある根来龍之氏に、「両利きの経営」のポイントと、ここから日本企業がデジタル化対応のために取るべき戦略について語ってもらった。

前編はこちら。

■日本製クォーツとスイス時計メーカーの戦い

『両利きの経営』では、探索的イノベーションの方向を3つに分類している。「自社の既存市場に対し、新製品・新サービスを届けるために新しい組織能力を開発する活動」「既存の組織能力を活用して、新しい市場に対応していく活動」「新しい組織能力を開発して、かつ、新市場への対応を行う活動」の3つである。

このうち、最後のパターンが両利きのリーダーが最も活躍する必要があるとされる。これは、多角化論でいう「製品が既存と異なり・市場も異なる」非関連多角化とは異なる。以下の事例で見るように、ここで取り上げるのは、既存事業と市場で競争するイノベーションをめぐる事例である。

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