52歳弟の「孤独死」が兄に作り上げさせた仕組み

52歳弟の「孤独死」が兄に作り上げさせた仕組み

孤独死の現場にはモノがあふれかえっていることが少なくない(写真提供:トータルライフサービス 高橋大輔氏)

特殊清掃、略して“特掃"――。遺体発見が遅れたせいで腐敗が進んでダメージを受けた部屋や、殺人事件や死亡事故、あるいは自殺などが発生した凄惨な現場の原状回復を手がける業務全般のことをいう。そして、この特殊清掃のほとんどを占めるのは孤独死だ。

拙著『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』では数々の孤独死事例を取材しているが、孤独死の8割を占めているセルフネグレクト(自己放任)は、個人の問題で片付けられない社会的な課題が背景にあることを明らかにしている。

突然の解雇や不安定雇用などによる失職、あるいは職場などにおける人間関係のトラブル、肉親の死別、病気や借金、またはそれに伴う離婚などによって、社会からこぼれ落ちてしまう人たちだ。

■新聞配達員が見た孤独死

とくに現役世代は、見守りの対象として可視化されている高齢者などと異なり、福祉のセーフティーネットにかからないことが多く、深刻な社会的孤立を引き起こしている。引きこもりやごみ屋敷、そして最悪の場合、独りで亡くなり、何週間も何カ月も放置されることが起こってしまう。

孤独死の第一発見者として多いのが新聞配達員だ。

神奈川県でかつて新聞販売店の店長を務めていた男性はこう語る。

「これまでにもう、何十件も孤独死の現場に立ち会っているのですが、ほとんどがセルフネグレクトなんです。

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