「超時空国家」アメリカを生み出す原動力

「超時空国家」アメリカを生み出す原動力

トランプは決して最初に現れた狂気と幻想の大統領ではない。気鋭の論客4人が『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』をめぐって徹底討議(写真:hidesy/iStock)

内外で議論の最先端となっている文献を基点として、これから世界で起きること、すでに起こっているにもかかわらず日本ではまだ認識が薄いテーマを、気鋭の論客が読み解き、議論する「令和の新教養」シリーズ。前回、評論家・作家の佐藤健志氏が、『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』から、アメリカの大衆文化や21世紀世界のゆくえを論じた。今回は、同氏と中野剛志(評論家)、施光恒(九州大学大学院准教授)、柴山桂太(京都大学大学院准教授)の気鋭の論客4人が、同書をめぐって徹底討議する。

■アメリカはなぜファンタジーランド化したのか

佐藤健志(以下、佐藤):著者のアンダーセンは『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』において、「幻想や魔術的思考がはびこる点で、アメリカは世界でも特異な国だ」と主張しますが、実はこれ自体に「わが国は何につけても際立っているはず」というアメリカ的な幻想が感じられます。

かつての社会主義諸国もそうですが、戦時中の日本における神国思想や、戦後の憲法9条崇拝だって、外から見たらオカルトじみていますよ。ナチス・ドイツでは精液から輸血用の代用血漿をつくる研究が行われましたし、ヒトラーは占星術を信じていた。

中野剛志(以下、中野):もちろん日本にもそういう人はいますが、僕はこの本を読んで、「さすがに日本はここまではひどくない」と感じました(笑)。

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