生産性は最低賃金を引き上げれば向上するのか

生産性は最低賃金を引き上げれば向上するのか

「最低賃金を上げれば生産性が向上する」というのは正しいのか(写真:bennymarty/iStock)

先日、テレビ朝日の情報番組の著名なコメンテーターの方から、「どうして国民に景気回復の実感がないのか」というご質問を受けました。私は「実質賃金が下がり続けているからだ」と答えたうえで、その原因を詳しく説明したところ、大いに納得していただけました。(2015年1月10日の『アベノミクスは消費税5%でも失敗していた』、2019年3月30日『実質賃金下落の本質は国民への「インフレ税」だ』などを参照)

ところが、続く「実質賃金を上げ続ける方法はないのか」というご質問に対する私の答えには、どうにも納得していただけなかったようです。私の答えはもう10年近く言い続けていることですが、「農業、観光、医療などを成長産業として地道に育成し、海外からの需要を底上げしていく」というものでした。即効性のある魔法の杖はないのです。(2012年12月28日の『安倍新政権は農業・観光・医療を強化せよ』、2019年4月4日の『令和時代に国民が豊かになるたった1つの方法』などを参照)

■最低賃金引き上げ「5%×10年」は正しいのか?

それに対して、コメンテーターの方は「実質賃金を上げ続けるためには、最低賃金を5%ずつ10年連続で引き上げればできるはずだ」という意見をおっしゃっていましたが、それは日本の労働生産性が抱える問題点や地方の現状をあまりにわかっていないといわざるをえません。

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