「ケーキを等分に切れない」非行少年たちの実情

「ケーキを等分に切れない」非行少年たちの実情

少年院で法務技官として勤務してきた宮口幸治氏の解説です(写真:Fast&Slow/PIXTA)

児童精神科医である宮口幸治氏によると、非行少年たちの中には「反省以前の子ども」がたくさんいると言います。また、少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすらできない非行少年がいるそうです。なぜ、彼らは反省することができないのでしょうか――。宮口氏の新著『ケーキの切れない非行少年たち』を一部抜粋しその真実に迫ります。

私は現在、大学で主に臨床心理系の講義を担当しておりますが、もともとは精神科医です。3年前に現大学に赴任するまで少年院で法務技官として勤務してきました。その前は大阪の公立精神科病院に児童精神科医として勤務していました。

そこでは外来や入院病棟で発達障害、被虐待児、不登校、思春期の子たちなどを診察していましたが、その病院は関西の基幹病院とも言える規模だったので、あらゆる症例を見てきました。

発達障害の専門外来では、申し込んでから初診の順番が来るまで4年待ちという状態で、ほとんど機能していないくらいの患者が集まってきていたのです。児童だけでなく、殺人などの重大犯罪を行った成人や少年の精神鑑定を行う機会もありました。

■ある少年との出会い

当時、ある施設へ定期的に出向いて診察や発達相談などを行っていたのですが、そこで発達障害をもった1人の少年に出会いました。その少年は性の問題行動を抱えていました。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)