米中貿易戦争とアメリカの景気をどう読むか

米中貿易戦争とアメリカの景気をどう読むか

トランプ大統領はたびたび「減税」に言及している(写真:ロイター/Leah Millis)

米中貿易摩擦の激化と世界的な景気後退懸念の台頭で8月の金融市場は波乱の展開となった。米中貿易摩擦についてはトランプ大統領の発信に一喜一憂する状態が続く。景況感の悪化は製造業を中心に広がり、まず欧州の牽引役だったドイツの不調が目立つ。アメリカの景気まで失速すれば、世界景気後退のリスクが高まる。バンクオブアメリカ・メリルリンチのジャパン・コンファレンス(投資家向けに毎年開催)で、このほど来日したエコノミストのイーサン・ハリス氏に、話を聞いた。

■アメリカは大統領選挙前に中国と「停戦」する

――アメリカは9月1日に対中関税の第4弾の一部を発動、中国からの輸入品の大半5200億ドル規模を対象に制裁目的の関税が課されることになりました。中国側もアメリカからの輸入品約1850億ドルに関税を課し、貿易摩擦はエスカレートしてきました。今後をどう見ますか。

アメリカのトランプ政権は12月には消費財をターゲットにした関税の発動を予定していて、これが実施されるのか、それによってどのような影響が出るのかに注目している。

今までのところ、トランプ政権は消費者の目からは関税の悪影響を巧みに隠すことができていた。原材料や資本財など企業が購入するものが対象だったためだ。実際に消費者が買うものの値段が上がれば、これが関税のせいだとわかるので、政治的に危険な状況が生まれる。

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