原油急騰でもインフレは起きず円高になる懸念

原油急騰でもインフレは起きず円高になる懸念

1973年の「第1次オイルショック」のアメリカ。今回はもし原油価格が急騰しても高インフレになりそうもないのはなぜか(写真:AP/アフロ)

アメリカ10年国債金利は9月5日から13日までの間に、1.5%台から一時約1.9%まで大きく上昇した。10月末に期限を迎えるイギリスによる合意なきEU離脱への懸念緩和、米中貿易協議が合意に至るとの期待、香港・アルゼンチンなどの地政学リスクの和らぎ、など好材料が重なったことが金利上昇の背景にある。

9月12日のECB(欧州中央銀行)理事会では、ほぼ事前の市場予想どおりに政策金利引き下げと、量的緩和再開などの金融緩和が決まった。ただ、量的金融緩和の再開に対してECB内部から複数の反対がでたことなどが警戒されて、理事会後にドイツ10年国債金利は、一時マイナス0.4%台まで上昇する場面があった。

8月22日付のコラム「アメリカ株は再度大きく下落するリスクがある」では、米欧債券市場での金利低下が「行き過ぎ」の領域に入っていると指摘した(当時、アメリカの10年金利は1.5%前後まで低下)。米連邦準備制度理事会(FRB)とECBの金融緩和期待が債券市場で高まり過ぎて、米欧国債がもっとも割高な資産であると考えていた。筆者の想定どおりに、大きく調整したことになる。

■米金利短期急騰でも、株式や外国為替への影響は軽微

一方、米欧債券市場で起きた金利の大幅上昇は、株式、為替市場などに大きな影響を及ぼしていない。ドル円相場は、9月初旬からドル高となったが、1ドル=105円台から3円程度ドル高円安が進んだだけである。

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