日本が及ばない「シンクタンク超大国」の実像

日本が及ばない「シンクタンク超大国」の実像

シンクタンクが重要な役割を果たしているアメリカの政権だが、近年の動きを帝京大学法学部准教授の宮田智之氏(右)にお伺いした(撮影:尾形文繁)

シンクタンク・パワーと政策起業力のフロンティアと日本の課題を、シンクタンクや大学、NPOの政策コミュニティーの現場で活躍している第一線の政策起業家たちと議論する本連載。連載15回目は、帝京大学法学部准教授の宮田智之氏との対談後編をお届けする。

船橋洋一(以下、船橋):アメリカがシンクタンク超大国となった要因には、1930年代からの政治任用制と富裕層の支援に加え、1960年代からの保守派の台頭とそれに対するリベラル派の巻き返しがあった、というのが前回のお話でした。

一方で、もう少し、シンクタンクが生まれる背景を俯瞰してみると、そこには、戦争や経済恐慌といった国家レベルの危機があるような気がします。そういうときに、それまでの政策体系や理念、その担い手に対する疑問が吹き上がって、代案を出そうという動きが出てくるのではないかと思うのです。

アメリカのシンクタンクの老舗中の老舗のカーネギー国際平和財団の創設は第1次世界大戦前夜ですし、ブルッキングズ研究所は大戦中に設立されています。そこでは戦争と平和の研究が中心で、それに加え、資本主義や政府と市場の適切な関係、社会保障制度のあり方などがテーマとなりました。そのような大きな背景があるのではないかというのが、私の仮説というか印象ですが、いかがですか。

■国家的危機に対応してきたシンクタンク

宮田智之(以下、宮田):おっしゃるとおりだと思います。

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