「Official髭男dism」がチャートを席巻する理由



売れるのには理由がある。今回はこの「ヒゲダン」の音楽的特異性を分析したいと思う。20〜30代が「サブスク」で自然に楽しんでいる「ヒゲダン」の曲を、50代の音楽評論家が分析したら、何が見えてくるのか。

■ボーカルの「跳躍」という特異性

まず一聴して驚くのが、藤原聡によるボーカルの「運動量」の多さである。全体的にキーが高いのだが、その中で、低い音から高い音、さらに高い音へと、ぐんぐん跳躍していくのだ。

例えば『イエスタデイ』のAメロ。最低音は下のD(レの音=「♪『あ』めあがり」の『あ』)で、最高音は、何とその約2オクターブ上のC#(ド#=「♪くもらせ『てし』まったっていい」の『てし』)。

専門的な話となるが、かつては、全曲通して1オクターブに収まるのがヒット曲の秘訣と言われたのに対して、最近では全曲を通して2オクターブ使う曲も珍しくなくなってきている。しかし、冒頭のAメロだけで、いきなり一気に2オクターブ使ってしまうのは、明らかに「ヒゲダン」の音楽的特異性である。

ボーカルの跳躍については、この連載の昨年の記事=「『米津玄師』の曲がロングヒットし続ける理由」でも言及したもので、つまりは一種の音楽的トレンドとも言えるものだが、「ヒゲダン」の跳躍の度合いは、米津玄師のそれを優に超えている。

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