今すぐ読んでもらう必要のない年金改革の話

今すぐ読んでもらう必要のない年金改革の話

日本の若者にとって重要な年金改革がいま政治の場で決まろうとしている(写真:まちゃー/PIXTA)

公的年金保険というのは、仮に改革を行っても、その効果は何年も先にしか表れない。だから、私の本には、「年金改革というのは、何年も先を見越した植樹のような意識をもって取り組んでおく必要がある」(『ちょっと気になる社会保障』)と書いている。

そして今書こうとしている話は、来年の年金改革についてである。したがって、その効果が出てくるのは何年も先になる。そうした来年の改革が、どうも、将来の高齢貧困者を大量かつ固定的に生み、その人たちに厳しい人生を強いる結果になりそうな方向に進んでいるのである。

そこまでわかっているのならば、その事態を変えればいいではないかと思われるかもしれないが、なかなかそうはいかない世界がある。そういう話をしておこうと思う。

■年金改革の最大眼目は適用拡大

5年に1度行われる年金の健康診断である令和元年財政検証の結果を受けて、公的年金の年金改革が来年予定されている。財政検証でも示唆されていたように、次の年金改革の目標は、厚生年金の適用拡大である。

今は、次の要件が適用基準である。





このうち、月額賃金8.8万円以上という賃金要件は、週20時間以上働く人たちが、時給1000円を超えれば満たされる。ゆえに、最低賃金が1000円程度に上がるまで数年間じっと待つ。

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