米国がデジタルヘルスブームでも直面する課題

米国がデジタルヘルスブームでも直面する課題

アメリカでデジタルヘルス分野が拡大していますが普及にはまだ課題が残ります(写真:iStock/NanoStockk)

劉 瀟瀟氏は2019年7月より三菱総合研究所から派遣され、カリフォルニア大学サンディエゴ校に客員研究員として滞在している。今回は「デジタルヘルス」をテーマにアメリカ西海岸からの4度目のレポートをお届けしたい。

ヘルスケアサービスにおいて、アメリカは最も活発な国だ。2017年におけるアメリカの医療費は3.5兆ドル、1人当たり1万0739ドルに達する。総額も1人当たりも世界で最も高い。しかも、医療費のGDPに占める割合は年々高まっている。

しかしながら、アメリカ人の平均寿命等の健康データをみると、先進国では最低レベルである。例えば、2016年における平均寿命は、日本が世界2位で84.2歳であるのに対し、アメリカは34位の78.6歳だ。平均寿命だけでは医療制度の良しあしを考えるのは難しい面もあるが、高額な医療費に見合った健康状態が実現できていないという課題を抱えているといえるだろう。

■デジタルヘルスのブームに沸くアメリカ

そうした中でアメリカでは、デジタルヘルスビジネスブームが到来している。公的皆保険制度をもたなかったアメリカでは、医療における技術革新には力を入れてきた。デジタルヘルスは、スマートフォン、インターネット、AIの技術を利用し、結果的に、消費者の健康意識や健康にまつわる行動を改善することによって健康を増進し、患者がよりよい医療サービスを受けられるようにするものである。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)