アメリカの「予防的利下げ」がなぜ危険なのか

アメリカの「予防的利下げ」がなぜ危険なのか

アメリカの株価は最高値を更新したが、いつまでも続くと考えるのは危険だ(写真:ロイター/Brendan McDermid)

11月に入って、アメリカではNYダウが史上最高値を更新し、これを好感して日本でも日経平均株価が年初来高値を更新している。材料は米中貿易協議進展への期待だ。来年の選挙で2期目を目指しているトランプ大統領は、1期目の成果として、IS(過激組織イスラム国)の指導者殺害のような軍事的なものだけではなく、北朝鮮との非核化交渉や、米中貿易協議の進展といった外交、経済上の成果も国民の前に示したいところだろう。

国内経済では株価の上昇を持続させようとして、FRB(連邦準備制度理事会)に公然と金利引き下げの圧力をかけてきた。インフレになっていないのだから金融緩和を行っても大丈夫、という考え方もあるが、金融を緩和することの副作用は物価上昇だけではない。





■「予防的措置」として利下げを余儀なくされたFRB

グリーンスパン元FRB議長は、バブルは崩壊するまでバブルであるとは確実には分からないので予防することは難しく、金融政策は崩壊後の事後処理に注力すればよいと主張した。実際、現在の株価や不動産価格の上昇がバブルかどうかという論争は、次の景気後退が起こるまでは決着がつかないだろう。

しかし、グリーンスパン元議長の金融緩和策がバブルを醸成し、結局、リーマン・ショックという巨大なツケとなって返ってきたことを思い起こせば、現在の株価のレベルはすでに警戒すべき水準だ。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)