年650高座に上がる落語家「桃月庵白酒」の生き方

年650高座に上がる落語家「桃月庵白酒」の生き方

高座での桃月庵白酒(写真:橘蓮二)

「安心して聞いていられる」というのは、落語家にとって褒め言葉なのか、そうでないのかはよくわからない。

人によっては「何が飛び出すかわからない、どきどきするような高座」のほうがいいかもしれないが、桃月庵白酒(とうげつあん・はくしゅ)は、間違いなく「安心して聞いていられる」落語家だ。どんな噺でも、どんな高座でもまず「外れ」がない。満足度が高い。アマゾンのユーザーレビューなら5つ星がつきそうな落語家だ。

■エリートコースから落語家に

桃月庵白酒は、1968年12月26日、鹿児島県大隅町に生まれた。名門県立鶴丸高校から早稲田大学社会科学部に進む。

ここまでの経歴を見れば、一部上場企業に入社して今頃、取締役会に出ていてもおかしくないのだが、ここで落語研究会に出会ってしまうのだ。

「大学に入ると部活の説明会とか、いろいろあるじゃないですか。いろいろ見て回って、声かけられた中の1つが落研ですね。鹿児島にいたころから落語という芸能があることくらいは知っていましたが、もちろん、生で聞いたことはなかった。東京で初めて接して、はまってしまったんですね」

エリートコースから一転、芸人の世界へ。

「いや、好きではあったんですけれども、そんな大それた覚悟ではなかったんですよ。

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