子どもの虐待による「社会的コスト」は甚大だ

子どもの虐待による「社会的コスト」は甚大だ

児童虐待の影響をデータサイエンスの分野から解説します(写真:anna_humster/PIXTA)

児童虐待を解決するには何が必要なのか?

私は児童虐待の研究をしています。分野は社会福祉学なのですが、ミクロ(個人)、メゾ(地域)、マクロ(政策)と分かれていまして、私はマクロを中心にしています。これは経済学のマクロとも重なる部分も多く、それらの手法やとくにデータサイエンスを使って社会福祉の問題を「見える化」しています。

児童虐待の児童相談所(以下、児相)への通告数は年々増加しています。大きな事件が起こると、社会問題化します。そして「なぜ児相は子どもを救えなかったのか」などさまざまな意見が出ます。私は大学教員ですが福祉分野に特化したデータサイエンティストを名乗っています。

仕事の内容は、虐待が社会にどのようなインパクト(主に損害)を与えるのかを可視化し、それを防止、予防するにはどのような政策が好ましいのか判断材料を施政者に提示することです。

なぜ提示する必要があるのでしょうか? これは政策評価という分野の話に少し飛びます。

■政策評価が難しい日本ならではの特徴

今は少子化です。少子化は最も国力、とくに社会保障の持続的維持を破壊するので、各国はすべての政策でもとくに重要なものとして力を注いています。

わが国はそれを行わないので、少子化がさらに進行しています。

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