郷愁だけじゃない「男はつらいよ」健闘の理由

郷愁だけじゃない「男はつらいよ」健闘の理由

シリーズ50作目『男はつらいよ お帰り 寅さん』は12月27日に公開された。吉岡秀隆が演じる満男(写真:?2019松竹株式会社)

一風変わった映画がヒットした。

新作映画である。しかし、公式サイトやポスターで大きく取り上げられている「主人公」を演じた俳優は、約四半世紀前に亡くなっている。

なので、新作映画でありながら、その「主人公」が登場しているシーンは、過去の映像のリミックスになっているという、ある意味、実験的なアプローチの作品である。

1位『アナと雪の女王2』、2位『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』に続く3位が、その映画――『男はつらいよ お帰り 寅さん』だ(興行通信社「週間観客動員数TOP10」1月4〜10日付)。

「主人公」とはもちろん、車寅次郎(渥美清)である。

■プロモーションで「フォロワー層」を開拓

健闘に至った理由として、思い浮かぶのは、質量ともに充実したプロモーションである。

とくにNHK関連が目立った。まず、NHK総合で昨年10月より全5話放映された「少年寅次郎」。車寅次郎の少年時代を描いたドラマで、複雑な家族関係など『男はつらいよ』の基礎情報を、広い層に対して整理する効果があったと思う。

またNHK BSプレミアムでは、元日に『男はつらいよ』過去作3作を一挙放映しただけでなく、大阪を舞台に、桂雀々が車寅次郎を演じる「贋作 男はつらいよ」が今月5日から放映されている。

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