大塚明夫「声優として生き残れない若者の特徴」

大塚明夫「声優として生き残れない若者の特徴」

ベテラン声優の大塚明夫氏が語る「今の若い声優に欠けているもの」とは?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

『攻殻機動隊』シリーズのバトー役や、『機動戦士ガンダム0083』のアナベル・ガトー役など、多くの代表作を持つベテラン声優の大塚明夫氏が語る「声優論」。第4回では、「今の若い声優に欠けているもの」について解説します。

「今日の現場、一度もリテイクが出なかったんですよ!」

そううれしそうに報告してくる新人が時々いますが、そんなことに喜ぶのはいかがなものかと思います。

新人のうちは、現場でリテイクを出されるのが怖い。それは仕方がありません。口パクを合わせるという、それまでの人生でやってこなかった動作をしなければいけないのですから緊張はして当然です。

しかし、それが高じて「文句言われなきゃいい、言い間違えず、きれいに台詞が時間内に収まったらそれでいい」という気分になってもらっては困ります。

駄目出しがない、リテイクがないということと、「合格点」の演技ができたかどうかは別問題です。もしかしたら「こいつはこれ以上できない奴みたいだから、これで我慢しておくか」と思われているかもしれない。その想像をせずにただ「リテイクなし」という結果に喜んでいる人はちょっと危機感が足りません。

■口パクが「合う」「合わない」は重要じゃない

駄目出しやリテイクというものは、その場にある問題をともに解決しようという意志がなければ出されません。

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