ひきこもりを「犯罪者予備軍」扱いする人の愚行

ひきこもりを「犯罪者予備軍」扱いする人の愚行

ひきこもりの人は「犯罪者予備軍」ではありません。なぜそのような偏見が生まれてしまったのでしょうか?(写真:Satoshi KOHNO/PIXTA)

なぜ「ひきこもり=犯罪者予備軍」という間違ったイメージが世の中で拡散されてしまったのか? その理由と実際の状況について、新書『中高年がひきこもる理由―臨床から生まれた回復へのプロセス―』などの著作を持つ臨床心理士の桝田智彦氏が解説します。

【2020年3月8日11時15分追記】初出時、サブタイトルと本文でひきこもっている人が起こした殺人の割合の数字について誤りがありましたので修正しました。

自己肯定感があまり持てなかったり、就活でつまずいたり、解雇されたり、いじめや、親の介護などで退職したり、あるいは、再就職した先で屈辱的な思いをさせられたり……。生きていれば、誰にでも起こりうるこのようなことがきっかけとなって、今、多くの人たちがひきこもっています。

つまり、ひきこもっている人たちの大半は少し運が悪かっただけであり、善良で、心やさしく、人づきあいも人並みにできる、ごく普通の人たちなのです。

■なぜ「偏見」が生まれたのか?

ところが、2019年5月28日早朝、川崎市の登戸駅近くでスクールバスを待っていた小学生の児童や保護者が、刃物を持った男に次々に襲われるという痛ましい事件が起きました。負傷者18人、死亡者3人(犯人も含む)。幼い子どもたちを無差別に切りつけるという残忍きわまる手口に、犯人に対する激しい怒りの声が上がったのも当然であり、決して許されるものではないと考えます。

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