2030年以降、どの国も「負け組」になりえる理由

2030年以降、どの国も「負け組」になりえる理由

地球規模の気候変動が世界に大きな影響を及ぼす(写真:AWSeebaran/iStock)

金融制裁、資源、AI、5G、仮想通貨、サイバーテロ―。世界では経済を武器にした戦争が始まっている。

「地政学」は地理的条件、歴史、民族、宗教、資源、人口などが駆動する国際政治の動態だが、「もはや地政学だけでは間に合わない。地政学的課題を解決するために、経済を武器として使う地経学の分析が必要」と主張するのは『地経学とは何か』の著者、船橋洋一氏。「2050年、世界の覇権はどの国家が握っているか」(2020年3月7日配信)に続いて、本書の一部を抜粋してお届けしよう。

■気候変動の「勝ち組」と「負け組」

シンガポールの建国の父、リー・クアンユーは「エアコンは20世紀最大の発明の一つ」と言って、エアコンへの格別の思い入れを口にしたものである。熱帯のメガポリス、シンガポールが“アジアの首都”と言われるまでに栄えたのも、エアコンなしには考えられない。

エアコンが発明されたのは、1902年、ガソリン自動車とほぼ同じころである。しかし、それから1世紀を経て、自動車と同じようにエアコンもまた最大の挑戦に直面している。

これからの10年、世界に出回るエアコンの数は、過去1世紀分とほぼ同じ数になると予測されている。しかし、エアコンの数が増えれば増えるほど、地球温暖化を進めてしまう。そうなると、人々はもっとエアコンを使う。

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