「コロナショック」は「経済学の敗北」なのか

「コロナショック」は「経済学の敗北」なのか

リーマンショック後に再評価された、経済理論「不均衡動学」の概要を解説します(写真:taa22/iStock)

いま、株式市場は「コロナショック」に見舞われ、その経済的災禍はリーマンショックを超えるとも言われる。荒れ狂うように乱高下する株価を前に、この現象を解説する論者は多いが、明晰な分析や適切な処方箋はいまだきちんと見つけられていない状況のようにも見える。

実は、その現象をきれいに根本から説明しうると期待される枠組が存在する。「不均衡動学」がそれで、岩井克人氏がかつて世界に先駆けて統合的に完成させた経済学である。いまだマイナーな存在であるために学び方を含め習得の困難さはあったのだが、最近上梓された『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』において、資本主義システムや貨幣経済、暗号資産を具体例としつつ、そのエッセンスをしっかりと知ることができる。

リーマンショック後、経済学の専門家に“予言書”のような驚きをもって再評価された、いま私たちに迫り来る危機を乗り越えるための経済理論「不均衡動学」の概要を解説する。

■「バブル経済の分析」は経済学の鬼門

いま研究者の間でひそかに注目されている経済学がある。

「不均衡動学」という。経済理論としては由緒正しくもマイナーな存在で、経済学者のなかでもごく限られた少数が知る「不均衡動学」は、30年の長い不遇の時を経て、12年前の金融危機、いわゆる「リーマンショック」時にそのメカニズムをすっきりと説明するものとして再評価されている。

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