コロナ対策の「自粛継続」に専門家たちの葛藤

コロナ対策の「自粛継続」に専門家たちの葛藤

予定から1時間半近く遅れて23時前に始まった19日の専門家会議の会見。終了したのは深夜1時だった。写真中央は尾身茂副座長(記者撮影)

「自粛続きで、もう国民の皆さんの我慢は限界に近づいている。だが、集団感染が各地で頻発すれば今までの努力は一瞬で水の泡になる」

3月19日、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が国内の感染状況に対する見解を発表した。会議後の記者会見で北海道大学の西浦博教授は現状を冒頭のように表現した。感染抑制にはイベントなどの自粛が不可欠だが、その長期化による社会的な影響も大きい。ジレンマを抱えながら現実的な方策をどう示すか。専門家たちも苦しい立場に立たされている。

新たに示した見解で注目されたのが北海道の状況だった。北海道では2月中旬から下旬にかけて感染者数が急増。2月28日に知事が「緊急事態宣言」を出し、住民に週末の外出を控えるよう要請した。国内で最も踏み込んだ対策について、専門家会議は「一定程度、新規感染者の増加を抑えられている」と評価した。

■「オーバーシュート」のリスク

根拠の一つになったのが、「実効再生産数」の低下だ。これは、感染者がさらにどれだけの人数に感染させているかを表す数字だ。1を超えれば感染が拡大しており、1を下回れば収束に向かっていることを示す。前出の西浦教授の試算では、緊急事態宣言以降、北海道での実効再生産数は1前後で推移していた。

一方、全国の状況は3月9日に「一定程度、持ちこたえている」とした評価から変わらなかった。

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