「新型コロナ」が金融危機の引き金になる可能性

「新型コロナ」が金融危機の引き金になる可能性

新型コロナウイルスをきっかけに、「国家」の役割が再注目されるように(写真:spyarm/iStock)

新型コロナウイルスは、グローバリゼーションがもたらす「負の側面」を浮き彫りにし、「国家」の役割が再注目されるきっかけにもなっている。このような時代にあって、国家はどのようなポイントを注視すべきなのか。
著書『富国と強兵』で、ポスト・グローバル化へ向かう政治・経済・軍事を縦横無尽に読み解いた中野剛志氏が論じる。

■「新型コロナ」以前から世界経済は後退局面

大和総研が3月6日に発表した試算よると、新型コロナウイルスの流行が仮に4月までであった場合でも、実質GDP(国内総生産)は0.8%のマイナスとなる。

しかし、感染の影響が今年2月から1年程度継続するとした場合、個人消費は約12兆1000億円抑制され、実質GDP(国内総生産)は16兆3000億円減少して、マイナス3.1%になる。これは、2008年のリーマン・ショックによるマイナス3.4%に匹敵する規模である(「新型肺炎拡大による日本経済への影響度試算」)。

これでもまだ、WHO(世界保健機関)がパンデミックを宣言する以前の試算にすぎないのである。

そもそも、新型コロナウイルスが発生する前から、世界経済は後退局面にあった。

IMF(国際通貨基金)の世界経済見通しによれば、2019年の世界経済の成長率は、推計2.9%(世界経済見通し2020年1月改訂)である。

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