ジブリ作品の「物語」はこうして作り上げられる

ジブリ作品の「物語」はこうして作り上げられる

スタジオジブリの石井朋彦さん(左)と、ジブリ作品のすべてをプロデュースしてきた鈴木敏夫さん(右)の対談後編です

2019年12月、ファンタジー小説『思い出の修理工場』を上梓した、スタジオジブリの石井朋彦さん。そして、石井さんの師匠であり、『風の谷のナウシカ』から『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など、ジブリ作品のすべてをプロデュースしてきた、スタジオジブリ鈴木敏夫さん。20年以上の師弟関係であるお2人から、ジブリの仕事術、宮崎駿さんの創作術やファンタジーのこれからなどをたっぷりうかがった。前編はこちら(「宮崎駿の仕事術『スケッチせず記憶に頼る』理由」)。

■人の適性を見抜きたければ、掃除の仕方を見るといい

──鈴木さんは、人の強みや、得意なことを見つけて伸ばすときはどうしていらっしゃるんですか?

鈴木:僕はジブリを作る前に、『アニメージュ』という雑誌の編集をやっていました。新しく編集部を立ち上げるとき、ほかの編集部でうまくいかなかった人を集めて作った。そのとき、貴重な体験をしたんです。マイナスをいっぱい集めるとプラスになる。反対に、プラス同士は喧嘩になる。

石井:僕も含めて、鈴木さんの下には、偏った能力があって周りになじめない人が集まります。鈴木さんは、そういう人たちの得意技を見つけ出して、伸ばす。『思い出の修理工場』の主人公・ピピが人とうまく関われない女の子だったように、みんなが鈴木さんに修理してもらって、歯車が動き出すように生き生きと仕事しはじめる姿を、何度も見てきました。

鈴木:僕は新しい人と出会うとね、まず部屋の掃除をしてもらうんですよ。掃除のやり方って全員違う。何日か見ていると、その人の適性が見えてくる。まず、石井に僕の部屋の書類を整理してもらったときのようにね。そこで、石井のいいところと、悪いところが見えた。石井は速いんですよ。一見、整理整頓されている。でも日常で使っていくものを整理整頓した場合……。

続きは 東洋経済オンライン で

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