「大規模無低」に苦しめられた49歳男性の憤怒

「大規模無低」に苦しめられた49歳男性の憤怒

5年ほど前に埼玉県内の大規模無低に入居していたというオサムさん(編集部撮影)

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

「生活保護費の支給日になると、マイクロバスに乗せられて市の福祉事務所に連れていかれます。まず、施設の職員たちが役所内の窓口まで5、6メートル間隔で並んで。その前を通って僕たち入居者が保護費を受け取りにいくんです。職員は僕らが逃亡しないように見張ってるんですよ。バスに戻ると、お金は封筒ごと全額取り上げられます。

施設の食事もやばかったです。朝食はたくあん数切れに味付けのり1袋、ウインナー1本。納豆が付けばいいほう。ご飯は1人1杯と決められていて、夕飯がご飯茶碗1杯のカレーライスだけということもありました。肉や魚ですか? ほとんど出たことないです」

■無低の職員から新宿駅で声をかけられた

オサムさん(仮名、49歳)は5年ほど前、東京・新宿駅付近でホームレス状態にあったとき、埼玉県内のある「無料低額宿泊所」(無低)の職員から「うちに入って生活保護をもらいながら、仕事を探しませんか?」と声をかけられた。

無低とは社会福祉法に基づく民間の宿泊施設のこと。

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