日本の社会保障、どこが世界的潮流と違うのか

日本の社会保障、どこが世界的潮流と違うのか

安倍晋三首相は骨太方針公表を前に「新型コロナで歴史的な危機に直面する中、思い切った社会変革を果敢に実行し、自ら未来を切り拓いていく」と述べたが……(写真:ロイター)

7月17日に閣議決定された「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針2020)には、次のように書いてあった。

様々な災害等の緊急時や相続時にデジタル化のメリットを享受できる仕組みを構築するとともに、公平な全世代型社会保障を実現していくため、公金振込口座の設定を含め預貯金口座へのマイナンバー付番の在り方について検討を進め、本年中に結論を得る。

「公金振込口座へのマイナンバー付番」というのは、たぶん、今回の10万円のような現金を振り込むための口座を、国民1人1人が一つだけ持っているマイナンバーに紐付けるという話なのだと思う。当たり前の話であるが、仮にそうした「公金振込口座」というのが整備されたとしても、「公平な全世代型社会保障を実現」することはできない。今日はそういう話をしておこうかと思う。

■映画ダニエル・ブレイクに思うもの

オンライン生活に入っていった3月から4月ごろ、家の中でついつい、「ダニエル状態」という言葉を使ってしまっていた――社会派映画の巨匠ケン・ローチ監督に申し訳なく思っている。

ダニエルとは、映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』のダニエルのことで、彼は59歳で心臓発作を起こし、医師から働くことを止められていた。イギリスでは、福祉事務所で就労が可能なのかどうかについてチェックを受けることになっており、ダニエルは、政府の委託業者によるマニュアルどおりの問診に嫌気がさした返事をしてしまったためか、就労可能の判定を出されてしまう。

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