リニア「JR東海vs静岡」、わずかに和解の兆し?

リニア「JR東海vs静岡」、わずかに和解の兆し?

7月16日に開催した国の有識者会議第4回会合(記者撮影)

「社会通念上の考え方の問題です」――。国土交通省と静岡県、リニア中央新幹線の静岡工区における工事着工をめぐって対立している両者の発言がめずらしく重なった。

南アルプストンネルの工事に関するJR東海と静岡県の議論を科学的・工学的に検証するために国は有識者会議を設置し、7月16日にその第4回会議が行われた。冒頭の発言は、会議後の記者会見での出来事だ。

静岡工区だけが工事着手できない状態で「2027年開業」のタイムリミットが迫る中、JR東海は「トンネル本体の工事は有識者会議の結論が出るまで行わないので、トンネル工事とは異なる坑口整備などの準備工事だけでも先に着手したい」と要望した。

JR東海と国は、トンネル工事と準備工事は別物と考えている。だが、静岡県の川勝平太知事は、両者は一体だとして首を縦に振らない。JR東海の金子慎社長、藤田耕三国交事務次官(当時)がそれぞれ知事に直談判してもらちが明かなかった。

■重要なのは「準備工事」だけではない

だったら、トンネル工事と準備工事が一体なのかどうかを有識者会議で議論したらどうか。記者のこんな質問に対して国交省の江口秀二大臣官房技術審議官と静岡県の難波喬司副知事はともに否定した。その理由として挙げたのが冒頭の「社会通念上の考え方」だ。

社会通念上、トンネル工事と準備工事は同じなのか、別物なのか。

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