アメリカのアジア政策が85年前を想起させる訳

アメリカのアジア政策が85年前を想起させる訳

過去1世紀におよぶアメリカのアジア政策が、根本的に軌道修正される可能性さえもある(写真:pengpeng/iStock)

米中貿易戦争により幕を開けた、国家が地政学的な目的のために経済を手段として使う「地経学」の時代。

独立したグローバルなシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)」の専門家が、コロナウイルス後の国際政治と世界経済の新たな潮流の兆しをいち早く見つけ、その地政学的かつ地経学的重要性を考察し、日本の国益と戦略にとっての意味合いを、順次配信していく。

■歴史的転換点となるポンペオ国務長官演説

2020年7月23日のポンペオ国務長官の演説は、よりいっそう対中批判の性格を強める内容となった。習近平国家主席を名指しで批判すると同時に、中国共産党体制そのものを批判し、従来にない激しい対中批判となった。また、カリフォルニアのニクソン大統領図書館という場所を選んで演説を行うことにより、1971年のニクソン政権におけるキッシンジャー補佐官訪中以来続いてきた、これまでの対中関与政策を大きく修正するものとして報道された。

その口火を切ったのが、2020年5月4日にマット・ポッティンジャー国家安全保障担当副補佐官のヴァージニア大学で行った演説である。「5月4日」とは、101年前のパリ講和会議後の、日本の領土的野心に対する中国国内のナショナリズムの勃興とそれに基づく反帝国主義的な「五・四運動」が起こった日であることが象徴的である。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)