「産直輸送」はコロナ危機の鉄道・バスを救うか

「産直輸送」はコロナ危機の鉄道・バスを救うか

特急「踊り子」号から伊勢エビの入った箱を運び出すスタッフ(記者撮影)

採れたての新鮮な海産物や農産品を、特急や高速バスの空きスペースに載せて都市部へ――。旅客用の列車・バスで乗客とともに生鮮食品などを運ぶ「貨客混載」の取り組みが広がっている。東京・新宿には9月、高速バスで各地から運んだ食材による料理を提供する施設がオープン。JR東日本は新幹線や特急列車を使った地産品などの物流サービスを拡大すると発表した。

列車・バスを活用した物流は、トラックの運転手不足などに対応する手段として期待されることが多かったが、コロナ禍による交通機関の利用低迷が続く中、乗客の減少をカバーする方策としても注目を集める。はたして「増収」にはつながるのだろうか。

■「踊り子」で伊勢エビがやってきた

9月26日、12時半過ぎのJR東京駅9番ホーム。時折小雨の降る灰色の空の下、白とマリンブルーの鮮やかな車体を輝かせて特急列車が滑り込んできた。伊豆急下田(静岡県)を9時51分に出発した「踊り子」4号だ。

ドアが開くと、下車する乗客に続いて車内から2つの発泡スチロールの箱が運び出された。中身は伊豆・下田で9月中旬に漁が解禁になったばかりの伊勢エビ60匹。同日から3日間、東京駅の駅ナカ商業施設「グランスタ東京」で開くイベント「伊豆美味いもん市」で販売する目玉商品の1つだ。

箱はホームに待機していたスタッフの手で、すぐに地下のイベント会場へ。

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