
米大統領選、なぜ「高齢者候補」が好まれるのか
2020年10月29日 09時08分 東洋経済オンライン
2020年10月29日 09時08分 東洋経済オンライン
2020年10月29日 07時20分 東洋経済オンライン
世界が注目するアメリカ大統領選が間近に迫っている。「4年に1度の内戦」とも称されるこの一大イベントは、アメリカの政治・思想・社会を映す鏡だと言われる。
アメリカにおける大統領選はいかなる意味を持つのか。大統領とはいかなる存在なのか。アメリカ政治思想史を専門とする気鋭の学者、帝京大学・石川敬史氏に話を聞いた。
最終回となる第4回は、アメリカ大統領に求められている資質とは何かを考える。
■アメリカ大統領選は「4年に1度の内戦」
佐々木一寿(以下、佐々木):いよいよ大統領選が目前に迫ってきました。
石川敬史(以下、石川):アメリカは建国以来、もともと非常に多元的な国です。と同時に、実はジャクソン(第7代大統領、1829年)以降のアメリカでは、連邦政府の力を使っていかに地方に予算を引っ張れるかが政治家にとってとても重要だ、というのがわかってきました。アメリカの内政史の多くは開拓の歴史ですから、西部の政治家、フロンティアの政治家の手腕とは中央政府から予算を奪い取る力でもあるのです。事実、西部開拓に投入された連邦予算は膨大なものでした。
つまり、アメリカは多元的なのですが、連邦政府の権威に対しての合意形成は長い目で見ると着々と進んでいて、それが革新主義とニューディール・リベラリズムを経てしっかり固まりました。