アメリカの政権交代は現実の政策を変えるのか

アメリカの政権交代は現実の政策を変えるのか

バイデン大統領、ハリス副大統領の体制で何がどう変わるか(写真:Fabrice Cabaud/iStock)

昨今の経済現象を鮮やかに切り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第31回。

■多国主義へ復帰も、中国の覇権阻止という基本は不変

アメリカで、トランプ政権からバイデン政権への移行で生じるのは、単なる手法の変化なのでしょうか? それとも理念の変化なのでしょうか?

そして、理念の違いは、現実の政策を変えていくのでしょうか?

以下では、それを、いくつかの政策分野について見ることとします。

まず対外政策を見ると、トランプ大統領は、「アメリカ第1(アメリカ・ファースト)」を宣言して、パリ協定、イラン核合意、世界保健機関(WHO)などの国際的な枠組みから離脱しました。

そして、自由世界のリーダーとしての地位を自ら放棄しました。

バイデン氏は、多国主義へ復帰し、脱退した国際的な枠組みに復帰することを明言しています。日欧同盟国との協力も進めるでしょう。

ただし、これは手法面の変化であり、最終的な目的が中国の覇権阻止であるという点は、変わりません。したがって、バイデン政権になっても、中国に対する強硬政策は変わらないと考えられます。

中国の覇権阻止は、アメリカの総意です。

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