社長が2年半出社しない会社が急成長する理由
2020年11月27日 07時30分 東洋経済オンライン
コロナ禍において東京都の人口が減少し、リモートワークの推進によって地方移住者が増えはじめるという現象が起きている。「100年時代の人生戦略」を提唱し、35万部のロングセラーとなった『ライフ・シフト』で描かれた展開が現実に始まったのだ。私たちはどんな人生の選択ができるのか。2050年の日本を見据えてマレーシアへと移住し、現地法人を立ち上げた株式会社grooves代表取締役の池見幸浩氏に話を聞いた。
■都心にしがみつく人生からのシフト
僕は2012年の『ワーク・シフト』の時から、リンダ・グラットンさんの著書に大きな影響を受けています。2016年に刊行され大ブームとなった『ライフ・シフト』でも深い感銘を受け、世界が変わるんだという意識を強く持ち、そこに書かれていることをそのまま僕の人生で真面目に実践しています。
2013年頃、僕はまだ結婚したばかりの30代の起業家で、東京都渋谷区の高級住宅街に妻と2人で暮らしていました。高い家賃が負担ではありましたが、起業家としての当時の僕にとって、「どこに住んでいるか」は重要なポイントであり、経営者仲間と話す時もそこにこだわっていたんです。
ところが、子どもに恵まれると様子が変わってきました。自宅から一番近い産科は、郊外の病院と比べると2倍近い出産費用がかかることがわかりました。