猟友会が「害獣駆除の決定打にならない」理由

猟友会が「害獣駆除の決定打にならない」理由

なぜ猟友会は「獣害駆除」の決定打にならないのか?(写真:ネギ/PIXTA)

日本各地で相次ぐクマやイノシシによる獣害被害。街に下りる動物たちを駆除するのは、地元の猟友会だ。では、彼らのおかげで獣害被害が減っているかというとそういうわけでもない。「猟友会が害虫駆除の決定打になりえない理由」を、森林ジャーナリストの田中淳夫氏が解説。新書『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』より一部抜粋・再構成してお届けする。

このところ、日本各地でクマによる獣害が多数報告されている。それらの報道に必ずといっていいほど登場する組織がある。猟友会である。

「地元猟友会によって射殺」という文字列は多くの人が見たことがあるだろう。なぜ彼らが獣害の現場にいるのかといえば、有害鳥獣の駆除には専門的な技術が不可欠であり、その技術を持つのはたいてい猟友会に所属する会員だからだ。また、有害駆除を行うには役所からの依頼がなければならないが、その窓口もほとんど猟友会となっている。

こうした事情が相まって、獣害が激増する中で注目を集めている猟友会だが、寄せられる期待に反して、その実態は知られていない。時に危うい現実が浮かび上がる。

■不祥事だらけの猟友会

2020年3月、環境省は、南アルプス国立公園のシカの頭数管理を行っていた山梨県猟友会が「捕獲頭数などを大幅に水増しした報告書を提出していた」と告発した。

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