PCR検査拡充を敵視する人に知ってほしい難問
2020年12月04日 09時00分 東洋経済オンライン
新型コロナウイルス感染に伴う重症患者の最多更新が続いている。12月2日時点で日本では500人に迫っている。これによってコロナ以外の一般患者の医療にしわ寄せが出てきている。「診察できません!」「たらい回し」というフレーズ。どこかでみた光景だ。
世界的にコロナ感染者は激増している。人の移動で感染拡大することが明らかなので、欧州で再ロックダウンする国が増えている。片や日本では国を挙げてのGo Toトラベルだ。日本政府は来年1月までGo To プランを延期することを決定したようだ。
野口悠紀雄氏は自著の中でGo Toトラベルのことを、経済合理性については認めつつも、高齢者を切り捨てる「悪魔の戦略」と評した。高齢者にとっては致死率が20%近くある感染症なのだから、蔓延やむなし、に見える政策に対して当然そういう意見もあるだろう。
ではロックダウンすべきか?
ロックダウンとなれば、悲鳴を上げる業者も大勢いるだろう。実際、欧州でもロックダウンが社会的弱者の生活をさらに困窮させている。重症化することがほぼないとわかっている日本の若者が協力的になるとは思えない。どれほどの人がロックダウンを仕方ない策だと思えるだろうか?
■感染それ自体ではなく経済的困窮も人を殺す
コロナ感染対策の目的は、言うまでもなく経済循環と死者を減らすことだ。