韓国経済「2021年プラス3.0%」成長は可能か
2020年12月30日 07時10分 東洋経済オンライン
コロナ禍で経済活動が停滞した2020年。現在も感染者数は増大している中で、これまで相対的に「コロナ対策がうまくいった」とされているのが韓国と台湾だ。日本の隣国であり、日本と密接な関係を持つ両国経済の現状と見通しはどうなのか。今回は韓国を取り上げる。中央銀行である韓国銀行は2020年11月26日、2020年の実質経済成長率の予測値を前年比マイナス1.1%、翌2021年を同プラス3.0%と発表した。韓国経済に詳しい、大東文化大学経済学部の高安雄一教授に話を聞いた。
■2020年の成長率はマイナス1.1%、21年は3.0%と予測
――韓国銀行が発表した2020年のマイナス1.1%という予測をどうみますか。
マイナスになるのは世界で同様な傾向なので、妥当だと思います。ここでは、韓国経済を消費と設備投資、輸出という3つの視点で見てみましょう。
韓国でコロナ禍の影響が最も出ているのは、やはり消費です。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の第1波が収まった2020年夏ごろから徐々に消費も回復してきましたが、第2波の到来で再び落ち込んでいます。これが経済成長を押し下げている部分です。
――一方で、投資は良好ですね。
そうです。投資はよくて、輸出も悪くありません。これはコロナ禍でのテレワークの普及など、半導体関連需要が世界的に伸びていることが背景にあります。