「ストレスを放置する人」が招く最低最悪の結末
2021年01月12日 07時30分 東洋経済オンライン
人生に「ストレス」はつきもの。できることなら「ストレスはないほうがいい」と思う人も多いでしょうが、ストレスは心や体の不調を示すアラームの役割を担っています。では、もしストレスを我慢や放置してしまうと人はどうなってしまうのか? 福島県立医科大学医学部の大平哲也疫学講座主任教授による新書『感情を“毒”にしないコツ』から一部抜粋・再構成してお届けします。
落ち込んでいるときや疲れているとき、風邪を引きやすいことを実感している人も多いのではないでしょうか。「そういうときは免疫力が落ちているからだ」といってしまえばそれまでですが、実はそれを実証したアメリカの実験があります。
18〜54歳の健康な男女334人を対象として、ポジティブな気持ちをスコア化したうえで、全員の鼻に風邪のウイルス(ライノウイルス)をたらし、その後の風邪の発症状況を見たのです。
■ポジティブな人ほど「風邪をひかない」
その結果、ポジティブな気持ちが少ない人に比べて、ポジティブな気持ちが多い人ほどその後風邪になる頻度が少ないことがわかりました(Cohen S, et al. Psychosom Med,2003)。
さらに、インフルエンザウイルスを用いた実験でも、同様の結果が得られました。ちなみに、この研究では、参加してくれたボランティアに対して1人あたり800ドル支払ったそうです。