「緊急事態宣言」で東京一極集中に高まるリスク
2021年01月12日 13時00分 東洋経済オンライン
拡大一途のコロナ禍に政府の対応が後手後手を極めている。1都3県への緊急事態宣言発令に続き、明日13日にも大阪、兵庫、京都の3府県に対しても宣言を発令する方向で最終調整に入っているという。
3府県の知事が宣言発令を要請したのは9日。翌10日のNHKのテレビ討論番組で菅首相は3府県への発令に関し「すぐに対応できるよう準備している」としながら「もう数日の状況を見る必要がある」と慎重だった。
ところが、テレビ発言の翌日に、「発令の方向で調整」と一変した。その背景には、一連のコロナ対策への世論の反発、支持率低下があったのではとの声がネット上などで渦巻いている。
飲食店の営業時間短縮に絞った対応や、夜8時以降の不要不急の外出自粛要請、テレワーク推進による出勤者数の7割削減、イベント人数制限という感染拡大防止策についても「中途半端」「不公平」といった声が強い。
実際、3連休中の人出は、春の緊急事態宣言時に比べ大幅に増加していると報じられている。夜8時以降の営業を続けると公言する事業者もいる。後手後手で場当たり的な「宣言」と「対策」に国民の不満と不信は高まる一方である。
■外国人の東京離れが進む
さて、コロナ禍が長期化する中で、見逃せないリスク要因がある。東京一極集中問題だ。