分断・差別をあおるコロナ「罰則」規定の危うさ

分断・差別をあおるコロナ「罰則」規定の危うさ

パンデミックという非常時に私たちは人の尊厳とどう向き合ったらいいのか(写真:ブルームバーグ)

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなか、政府は、営業時間短縮要請や、隔離措置に従わない陽性者に対する罰則規定を感染症法などに盛り込む方向で検討している。国民が一丸となってウイルスに対峙しなければならないいま、特定の業種や地域に対する偏見や若い世代との反目など、分断化が進行している。

対象者を絞ったうえでの罰則規定は、この分断化をさらに助長することになりはしないか。パンデミックという非常時に、人々の尊厳とどう向き合うのか。私たちの社会が問われている。

■「俺は“急所”なのか」

「そうか、俺は、"急所"なのか」

東京都内でカラオケスナックを営む、Aさん(59)の嘆きだ。

「年末年始に向けて、以下の"急所"だけはぜひ押さえるようお願いします」

昨年12月25日の記者会見で公表された新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言だ。そこで尾身茂会長が、感染対策の「急所」として筆頭に挙げたのが、飲食の場だ。食事は家族やいつもの仲間と、静かにマスク着用で、と訴えた。「急所」は飲食店そのものではなく、感染対策の徹底を指している。

だが、Aさんには、尊厳が踏みにじられたように感じた。直後に彼がフェイスブックにアップした投稿だ。

「会見を聞いていて、胸が張り裂ける思いと共に怒りや、悔しさが込み上げてきました。

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