下請けで苦しむ中小企業は「5%未満」の現実
2021年01月27日 11時00分 東洋経済オンライン
オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。
退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼は、このままでは「@人口減少によって年金と医療は崩壊する」「A100万社単位の中小企業が破綻する」という危機意識から、著書『日本企業の勝算』などで継続的に、日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析し、企業規模の拡大を提言している。
今回は「中小企業の生産性が低いのは、大企業に搾取されているからだ」という俗説を検証する。
■「搾取論」はエピソードベースの議論にすぎない
これから日本では、確実に人口が減少していきます。そんな環境下で成長戦略を探るには、生産性の向上はどうしても避けて通れない問題です。
日本では約7割の労働者が中小企業で働いているうえに、中小企業の生産性が国際的に見て非常に低いのが現状ですので、国全体の生産性が低い主な原因は中小企業にあると言わざるをえません。
逆に考えると、中小企業が強くなって生産性が向上すれば、国全体の経済に大きな好影響を与えることになります。これが日本の目指すべき生産性向上戦略の要諦になります(参考:「中小企業の生産性向上」が日本を救う根本理由)。