環境破壊を「甘く見る人」が2040年直面する苦難
2021年02月23日 13時00分 東洋経済オンライン
あなたは2040年に何歳だろうか? そのころの日本はどうなっているのだろうか?
元日本マイクロソフト社長であり、起業家であり、投資家でもある成毛眞氏は「今あるものを見れば、未来は読める」という。高齢化が進み、経済成長も見込めない日本の未来は、残念ながらそう明るくない。ただ、未来を知り、何をするべきか考えれば、豊かな人生になる。本稿では『2040年の未来予測』より、一部抜粋、編集し紹介する。
■このまま進むと、飢餓に満ちた世界が必ずくる
世界は今、環境破壊によるリスクがかつてないほど大きなものになっている。遠い未来のことだと思っている人もいるかもしれない。しかし、環境破壊が今どう起こっているのか、何に影響があるのかきちんと把握しておくべきだ。直接あなたに重大な影響を及ぼす未来だからだ。
中でも、最も避けられそうもないのが温暖化だ。このまま何の対策も講じなければ、今から2100年までに地球の平均気温は4度上昇する。これがどのくらい異常なことかというと、1880年から2012年までの世界の平均気温の上昇は、1度にも満たない。
4度上がると何が起こるか。気温が上昇すれば、海水の温度も当然上昇する。そうすると、ほぼすべてのサンゴ礁が白化、絶滅する。サンゴ礁には海洋生物種の3割以上が生息するといわれており、結果的に、数億人の人々の食料事情が深刻なものになる。