日本の「ミャンマー宥和外交」は機能しているか

日本の「ミャンマー宥和外交」は機能しているか

ミャンマー軍に対する抗議活動を行う市民ら(AP/アフロ)

ミャンマー情勢が緊迫の度を増している。

2月1日の軍事クーデターに抗議するデモに対して国軍が発砲を繰り返し、2月は20人以上が犠牲となった。さらなる流血も危惧される。国連や欧米各国は国軍を強く非難し、一部で経済制裁を科す動きを強めているが、日本政府の立ち位置ははっきりしない。

日本政府は、民主化を阻んだ過去の軍政時代にも制裁から距離を置き、批判も控えて援助を続けた結果、主要国の中で唯一、ミャンマー国軍にパイプがあり、対話ができることを売りにしてきた。

しかし、現段階で国軍とのパイプがどのようにつながり、どのような働きかけをしているのか不明である。総選挙の結果を蔑ろにする国軍に強い措置で臨まず、曖昧な立場をとり続ける日本政府の対応はまっとうなのだろうか。

■笹川会長のブログに感じた違和感

ミャンマー国軍が権力を掌握した翌日の2月2日、日本財団の笹川陽平会長のブログを読んで私は強い違和感を覚えた。クーデターについての所見が以下のようにつづられていたからだ。

「誠に残念なことである。今後の事態の推移を見守る必要があるが、まずは拘束者の解放を優先すべきである。また、アメリカをはじめ、各国が早急な経済制裁を実施しないことを願うばかりである。

制裁が行われれば、ミャンマーの隣国・中国の影響力が増大するのみならず、日本の外交方針の一つであるインド・太平洋の安全保障の重要拠点を失うことにもなりかねず、日本のこれまでの努力は水泡に帰することになる。

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