もし在韓米軍が縮小・撤退したら?日本と日米同盟に求められる役割

もし在韓米軍が縮小・撤退したら?日本と日米同盟に求められる役割

(AlxeyPnferov/iStock/Getty Images Plus)

前回のシナリオ分析を踏まえて、日本の安全保障への影響を考えるとどのようなことが言えるであろうか。在韓米軍の縮小・撤退がいかなる形で行われるとしても、それは段階的に行われると考えるのが現実的だ。日本にとっての最悪のシナリオである「中国の影響下に置かれた、核付きの統一朝鮮の誕生」まで状況が悪化するには、十年単位の時間を要するはずであり、実際には同じ時間軸の中でシナリオが分岐するというよりも、状況の悪化がどこで止まるか(どこで止めるか)というイメージで捉えるのが適切であろう。

 その上で、在韓米軍の一定程度の縮小・撤退が避けられないと仮定すると、当然在日米軍や日米同盟、それに日本自身の役割・任務・能力の強化を検討していく必要が出てくる。ただし、それらの機能を強化するにしても、それぞれ実施する処方箋がいかなる問題に対応するためのものであるかをきちんと整理しておく必要がある。

■(1)日本周辺の米軍プレゼンス強化策

 まず、朝鮮半島有事への抑止・初期対処能力および米軍の対韓防衛コミットメントの観点からすると、在韓米軍の態勢見直しを行う場合に最も影響が大きいのは、ソウル以北に駐留する米地上戦力の扱いである。前述のように、在韓米軍主力部隊の要点はトリップワイヤ機能にあり、それは米軍が北朝鮮の攻撃に対して一定程度脆弱で、米国の本格的な介入・来援のトリガーとなるからこそ、北朝鮮に対する抑止コミットメントとして機能する。

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