なぜアメリカ社会はここまで「動的」なのか

なぜアメリカ社会はここまで「動的」なのか

(robertiez/iStock/Getty Images Plus)

「アメリカは非常に動的な社会」と語るのは、アメリカに居を構えるお茶の水女子大学ジェンダー研究センター元教授のホーン川嶋瑤子氏。確かにアメリカ発の「#me too」運動は、世界的な広がりを見せており、過去を振り返っても、公民権運動をはじめ、さまざまな運動がアメリカでは展開されてきた。一方で、現在のトランプ大統領は差別的な話題を振り撒いている。過去と現在、同国では、一体何が起き、その背後には何があるのか。『アメリカの社会変革』(ちくま新書)を上梓した同氏に話を聞いた。

――今回の本では、アメリカでのさまざまな社会運動を取り上げながら社会の動向や歴史的展望が紹介されています。こうした動きを1冊の本にまとめようと思ったのはなぜでしょうか?

川嶋:日米を往復していますが、アメリカは非常に動的、可変力のある社会だと感じます。可変的な社会は人々に活力や能動的姿勢を与えます。たとえば、不平等や差別の強い問題意識が、平等を求める大きな運動を生み出しました。人種差別反対の公民権運動以降、女性、年齢、ハンディキャップ、LGBT等による差別反対のさまざまな運動が起こりました。最近の「#me too」運動もそうです。これは、採用や昇進、賃金の性差別だけでなく、セクシュアル・ハラスメントやレイプ等も蔓延しているにもかかわらず、多くが沈黙のなかで隠されてきたのですが、ネット上の書き込みサイトが作られ、発言の場として広がったものです。

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