英国海軍の英雄はどのようにして生まれたのか

英国海軍の英雄はどのようにして生まれたのか

現在は音楽大学として使用されている旧王立海軍学校(海軍大学)の建物の一つ

英国はなぜ日本より狭い島国で人口も日本の半分程度なのに世界中から現在でも尊敬され一目置かれる国家として存続しているのか以前から疑問に思っていた。世界の工場として産業革命をリードして大英帝国を築き、政治では民主主義国家のお手本となり、さらにEU離脱を進める現在でも英連邦を率いて新たな国家像を模索している。

 そうした“偉大なる栄光の英国”が形成された鍵がグリニッジで見つかったように思われた。

■トラファルガー広場とネルソン提督像

 トラファルガー広場はバッキンガム宮殿の敷地の東にありロンドンの中心だ。トラファルガーとはネルソン提督麾下の英国海軍がナポレオンの命で英国本土侵攻を目指したフランス・スペイン連合艦隊を撃破した“トラファルガーの海戦”(1805)に由来する。

 もしフランス・スペイン連合艦隊が勝利していれば、その後の世界史は大きく変わったことであろう。英国と欧州大陸の命運を左右した海戦であった。そして広場の中心に聳える石塔の頂上に立っているのがネルソン提督像である。

 日露戦争における日本海海戦と東郷元帥に匹敵する英国の勝利と栄光のシンボルである。私は30年以上前に初めてロンドンに出張して以来何度もネルソン提督像を仰いできたが、なんとなく60歳前後の厳めしい軍人像をイメージしていた。

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