「ゾド」に生活を追われるモンゴルの遊牧民

「ゾド」に生活を追われるモンゴルの遊牧民

首都ウランバートルの街を覆うスモッグ

モンゴルが世界最悪級の大気汚染に見舞われているのをご存知だろうか?首都ウランバートルの大気汚染は、中国・北京の5倍といわれるほど深刻である。モンゴルといえば、青々と生い茂った草原と大地を馬とともに駆け回る遊牧民の姿を思い描く人が大半だろう。なぜモンゴルで大気汚染なのか?筆者はフジテレビ地上波で放送されたドキュメンタリー番組「環境クライシス」のディレクター兼ナビゲーターとして氷点下40度にもなる冬の凍てつく大地へ降り立った。

 中央アジアの山岳地帯、標高4300mのアルタイ山脈を超えると、見渡す限りの広大な草原地帯が広がっている。「人は馬の上で育つ」と言われるこの国は太古の昔から遊牧民の国だった。しかし、1990年の民主化以降、首都ウランバートルへの流入が激増し、国の人口約318万人のうちウランバートルの人口は146万人と半数を占めている。ちなみに遊牧民は95万人ほどで、家畜数は、全人口の20倍、約6000万頭と言われている。

 増幅の一途をたどるウランバートルは、近年深刻な大気汚染に悩まされている。そもそもウランバートルは盆地であるため、大気が留まりやすい。冬は世界平均の25倍もの汚染物質で大気が充満し、ついに“世界最悪の大気汚染“というレッテルを貼られることになった。

 事実、数メートルの先の信号の表示が“ガスって”見えないので交通事故に危うく遭うところだった。

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