高速も鉄道もない町「神石高原」の挑戦

高速も鉄道もない町「神石高原」の挑戦

左から、PWJの大西氏、神石高原町長の入江氏、慶應大特任教授の南氏

高齢化率が46%もの高さながら、新しい挑戦を次々と打ち出し、注目されている広島県の神石高原町。チャレンジを支える町の理念と、最新の取り組みを紹介したい。

 「高齢化率46%の町で、事業を立ち上げる人に資金的支援と、経営上のサポートをするという基金の募集に計8件、総額1億5300万円分の事業の申し込みがあったんです。うち3件に計約3000万円の支援をすることになりました」

 井上義雄さんが興奮気味に説明する。この基金は、地域に新しいビジネスチャンスを作り出すことを掲げて設置された。井上さんは基金の理事を務めている。

 神石高原町は、広島県東部の中山間地に位置する。高速道路も鉄道も通っておらず、高校に進学する段階で4割が町外に出てしまう町……というと、多くの人が過疎高齢化で疲弊しているイメージを持つだろう。しかし、そんな町が今、さまざまな話題の発信源になっている。井上さんたちが運営する「神石高原地域創造チャレンジ基金」もその一つだ。

 「補助金・助成金は出したら出しっぱなし。そうではなく、事業者には5年程度をめどに貸した資金を返してくださいと言っています。返ってくるお金をまた地域に再投資する」(井上さん)

■工場誘致の基金を有効活用

 支援の決まった事業は、地元の銘柄牛である「神石牛」の飼育頭数を増やす、町の農産物の特産品を作る、自然エネルギーの地産地消を目指すなど。

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