栄養情報も流行には要注意、話は単純化され盛ってある

栄養情報も流行には要注意、話は単純化され盛ってある

佐々木敏先生(撮影:監物南美)

食品に関する情報があふれている。テレビでは料理研究家が「この食品は○○がいっぱい。夏バテに効きます」などと紹介し、SNSには「××で痩せました」というたぐいの話が大量に書き込まれている。がんなどの病気を克服する食事を医師が指南している。

 これらの情報をどこまで信じてよいのか? 私たちはどのような食生活を送るべきか。東京大学大学院医学系研究科の佐々木敏教授に話を聞いた。佐々木教授の専門は栄養疫学。人が日常生活の中で自主的に食べている食べ物の種類や量を調べたり、食事の内容を意図的に変えてもらい、体への影響を調べたりする学問だ。日本の栄養学の専門家に医師はほとんどいないのだが、数少ない医師の一人で臨床経験もあり、現在は日本人の食生活の実態を第一線で研究し論文として世界へ発表し続けている。2012 年から14年まで世界保健機関(WHO)の栄養ガイダンス専門家会議のメンバーも務めた。日本の栄養学の第一人者である。

インタビュアー:科学ジャーナリスト 松永和紀

佐々木:夏バテは、慢性疲労の一種だと考えられますが、慢性疲労に栄養がどのように関わっているのか、実はまだ明らかにされていません。豚肉はビタミンB1を豊富に含んでいます。それは事実。しかし、慢性疲労とビタミンB1の関連について科学的に調べた研究はごくわずかしかなく、はっきりしたことはわかりません。

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