「革命の英雄」が独裁者に変貌したニカラグアの惨状

「革命の英雄」が独裁者に変貌したニカラグアの惨状

写真:ロイター/アフロ

ニカラグア情勢が不穏である。4月以来、反政府勢力と政府側民兵が衝突し、一部メディアの報道によると既に448名の死者が出ている。現在は小康状態にあるものの、近いうちに再び混乱に陥るのは必至と見られる。

 ニカラグアといっても、ピンとこない方も多いだろう。中米でメキシコを除けば最大の面積を誇りながら経済は中南米の中でハイチに次ぎ遅れ、国民は貧しい中、明日の生活のやりくりに追われている。国土の真ん中に大きなニカラグア湖が位置し、一時、ここを通って大西洋と太平洋を結ぶ第二パナマ運河が構想された。仮にそれが実現していれば、この国の運命もずいぶん違ったものになったはずである。ちなみに、この湖には淡水に棲むサメがいて、知らずに遊泳する観光客がたまに被害にあう。

 1972年、大きな地震が起こり、首都のマナグアは壊滅状態になった。ただでさえ貧しい国である。大地震により瓦礫となったこの国は、その後復興の道をたどったかというとそうではない。左派勢力による革命が起こり、社会主義政権が誕生したものの、これに反発するコントラ(新米反政府民兵)との間に内戦が勃発、国土は荒廃し左派政権は崩壊、反体制派がとってかわり更にその後右派の自由連合が政権の座に就いたものの、2006年、再び左派勢力が政権の座についた。しかし、昨年来、主要な援助供与国であったベネズエラからの支援が途絶えたことが影響し経済が疲弊、この4月からの混乱に至っている。

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